岡山大学2例目のSRS実施
(2001/06/26)に関連する記事 (山陽新聞)
San-yo
Shimbun Newspaper Articles on Okayama University's 2nd SRS
2001/06/27 (朝刊) 性同一性障害 女性に性別適合手術 岡山大で2例目 経過は良好
2001/06/26 (夕刊) 女性に性別適合手術 性同一性障害 岡山大では2例目
2001/06/26 (朝刊) きょう適合手術 性同一性障害の女性に 岡山大
2001/06/26 (朝刊) 《追跡》 性同一性障害」患者ら国に要望 社会環境整備を 戸籍表記など残るハードル
1例目の記事アーカイブ Article archive on its 1st SRS
当日以前 Before 当日・以降 On and After Japan Times
性同一性障害 女性に性別適合手術 岡山大で2例目
経過は良好
自分の肉体の性に強い違和感を持つ性同一性障害の女性患者に対する性別適合手術(性転換手術)が二十六日、岡山大医学部付属病院(岡山市鹿田町)で行われた。
正当な医療としての性別適合手術は同大で二例目、女性へは初めて。国内では他に埼玉医科大が七例(男性から女性一例、女性から男性六例)行っている。
手術は産科婦人科、形成外科、泌尿器科などのチームが午前九時半から約四時間かけ、子宮の摘出、尿道延長などを行った。今回は第一段階で、半年から一年後に陰茎を形成する。
手術後、医師団が会見し「経過は良好。精神的、身体的なケアを続け、次の手術に備えたい」などと述べた。患者は「痛みもなく、しんどくもない。ありがとうございました」と話したという。手術費用は総額百八十万円ほどかかる見込みで、全額患者の負担となる。
患者は、これまで精神療法やホルモン療法を続けてきたが、手術を強く希望。昨秋、同大の適応判定委員会が実施を認めた。
国内には現在、性同一性障害の患者が数千人いるとみられ、岡山大では百三十三人を同障害と診断。適応判定委員会は、あと四人の手術を認めている。
性同一性障害をめぐっては、埼玉医科大などで性別適合手術を受けた患者らが五月から六月にかけ、戸籍の性別の訂正を裁判所に申し立てたほか、手術の保険適用を関係機関に陳情するなど、社会環境の整備を求める動きが高まっている。
(2001年6月27日掲載)
女性に性別適合手術 性同一性障害 岡山大では2例目≪夕刊≫
岡山大医学部付属病院(岡山市鹿田町)は二十六日午前、生まれながらの肉体の性に強い違和感を持つ性同一性障害の女性患者に対する性別適合手術(性転換手術)を始めた。
正当な医療としての性別適合手術は岡山大では二例目、女性への実施は初めて。国内では他に埼玉医科大が七例(男性から女性一例、女性から男性六例)行っている。
手術は形成外科、産科婦人科、泌尿器科などのチームが午前九時半に開始し、約四時間で終わる見込み。今回は第一段階で、子宮や卵巣の摘出などを行い、半年から一年後に陰茎形成を行う予定。
患者は肉体的には女性でありながら自分では男性と認識。これまでカウンセリングなどの精神療法や、人工の性ホルモンを投与するホルモン療法を続けてきたが、手術を強く希望。昨秋、学内の適応判定委員会が手術の実施を認めた。
国内には現在、性同一性障害の患者が数千人いるとみられ、岡山大では百三十三人を同障害と診断。適応判定委員会は、あと四人の手術を認めている。
性同一性障害をめぐっては、埼玉医科大などで性別適合手術を受けた患者らが今年五月、裁判所に戸籍の性別の訂正を申し立てるなど、社会環境の整備を求める動きも高まっている。
(2001年6月26日掲載)
きょう適合手術 性同一性障害の女性に 岡山大
岡山大医学部付属病院(岡山市鹿田町)は二十五日、生まれながらの肉体の性に強い違和感を持つ性同一性障害の女性患者に対する性別適合手術(性転換手術)を二十六日に実施する、と発表した。
正当な医療としての性別適合手術は岡山大では二例目、女性への実施は初めて。
女性は、カウンセリングなどの精神療法や人工の性ホルモンを投与するホルモン療法を行ったが十分な効果がなく、手術を強く希望。昨年十一月、学内の適応判定委員会で実施が認められた。
手術は二段階に分けて実施し、今回は子宮、卵巣の摘出などを約四時間かけて行う。半年から一年後に陰茎形成を行う。
性同一性障害の患者は現在、国内に数千人いるとみられる。岡山大ではこれまでに百三十三人を同障害と診断し、同大適応判定委員会は、あと四人に対する手術の実施を認めている。
(2001年6月26日掲載)
≪追跡≫「性同一性障害」患者ら国に要望 社会環境整備を
戸籍表記など残るハードル
自分の肉体的な性に強い違和感を持つ「性同一性障害」の患者らが、戸籍の性別変更や就労機会の拡大など社会環境の整備を国に要望する動きが強まっている。正当な医療行為としての性別適合手術(性転換手術)は、埼玉医科大が九八年以降七例、今年一月には岡山大が一例実施した。医療体制が徐々に進む一方で、当事者の生活改善に向けた取り組みや、社会的な″壁″の解消が求められてる。(東京支社・中田秀哉)
今月十八日、東京・霞が関の厚生労働省。性同一性障害のため性別適合手術を受けた当事者ら四人が陳情書を携えて訪れた。ホルモン療法や手術に対する健康保険適用▽就労差別解消に向けた取り組み▽公的書類等での性別表記の訂正―の三点を求める内容。その陳情書を南野知恵子副大臣に手渡した。
四人は同省内で記者会見し、代表の虎井まさ衛さん(37)=東京都在住=は「私たち当事者の生活を人並みのものへと引き上げることが目的」と陳情の趣旨を説明し、理解を求めた。
虎井さんらはこれに先立ち、五月には戸籍の性別の訂正を東京家裁などに申し立てた。さらに日本精神神経学会も今月、戸籍の訂正などを盛り込んだ「性同一性障害の法的性別に関する緊急要望書」を最高裁長官や衆・参両院議長、法務大臣らに提出した。
保険の適用外
性同一性障害の患者に対しては、日本精神神経学会が一九九七年に診断・治療のガイドラインを作成して以降、医療面でのサポートが前進。国内で性同一性障害と診断された人は千人以上とされる。
治療はカウンセリングによる精神療法、人工的な性ホルモンを投与するホルモン療法、手術の三段階で行われ、ホルモン療法と手術は保険の適用外。虎井さんらによると、ホルモン療法は年間数万円から十万円以上の出費が生涯続き、手術は百数十万円が必要という。岡山大のケースでも、男性から女性への性別適合手術に約百十万円を要し、全額を患者が負担した。
「患者の中には収入が得にくい人も少なくなく、金銭的負担は確かに大きい」と岡山大医学部の黒田重利教授(精神科神経科)は話す。
有志で勉強会
収入を得にくい背景として、戸籍など公的書類の性別変更が認められていないことや就労面での不安定さがある。当事者の陳情でも、公的書類が必要な場面で外見上の性別と書類上の性別が異なるため、アルバイトなどを除き就職の機会を失ったり、職場でのいやがらせ、差別を受けるケースがあるとしている。
日本精神神経学会理事で、性同一性障害に関する第二次特別委員会委員長の中島豊爾・岡山県立岡山病院長は「患者支援は、形成外科的な手術が終わりではなく、日常生活を送りやすい環境を整えない限り完結しない。特に就労の場の確保など社会的な受け入れ体制の整備が求められる」と指摘する。
欧米では米国の大半の州やドイツ、イタリアなどが法律による性別変更を認めている。日本ではようやく昨年秋、戸籍変更など法整備を視野に、国会議員有志の勉強会が動き出した。
虎井さんは「岡山大でも取り組みが進み、医療環境が整いつつある。今後は性同一性障害に関する正しい知識の普及を進め、当事者が生活しやすくなるような議論を深めてほしい」と話している。
性同一性障害 生まれついての肉体的な性と、自分の性別に対する認識が一致せず、体と精神のギャップに苦しむ状態。原因は不明だが、胎児期の性ホルモンの脳への作用が十分でないことが有力視されている。国内の患者数は二千人から七千人程度と推測される。
【写真説明】性同一性障害の人の就労差別解消など環境整備を訴える虎井まさ衛さん=6月18日、厚生労働省
(2001年6月26日掲載)
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